誰も真似できないダンス

ユーチューブ等でマイケルの映像を探っていた中で一番私の目を釘付けにしたのが、モータウン25周年記念ショーの際マイケルが「ビリー・ジーン」を歌いながら初めてムーンウォークを披露した映像です。私はそれまで「BAD」のマイケルくらいしか知らず、「ビリー・ジーン」の曲さえ知りませんでした。「ビリー・ジーン」でのマイケルはまだ若く、黒いスパンコールの上着を着、白いスパンコール付きの手袋と靴下を着用して、神にとり憑かれたように歌いながらダンスをしていました。そのダンスは、誰も真似できない、マイケルにしかできない、マイケルにしか似合わないダンスでした。「ビリー・ジーン」といえばマイケルの代名詞と言われるほどマイケルの代表曲になっています。でもそのモータウン25周年記念ショーの際着ていたスパンコールの上着は母親からの借り物らしいというエピソードは、天才マイケルの可愛らしい一面が垣間見れるような話です。

マイケルのダンスの才能は幼少の時からで、一度教わるとすぐ自分のものにして習得したそうです。あるエピソードがあって、映画「ウィズ」の出演で振付師から振り付けを教わっていて、一度で振り付けを習得してしまうマイケルに対し他の共演者が腹を立てていることを共演したダイアナ・ロスから教えてもらうまでマイケル本人が気付かなかった、という話があります。マイケルがゾンビ達と踊る、有名な「スリラー」という曲がありますが、あのゾンビ達はオーディションに受かった、長年修行を積んだプロのダンサーなのに、マイケルは彼らに引けを取らない、むしろプロの彼らよりも上手いのではと思わせるほどのダンスを披露しています。

その他に「スムーズ・クリミナル」や「デンジャラス」、「ユー・ロック・マイ・ワールド」など、マイケルにしかできないダンスを映像で見ることができます。マイケルが「自分がパイオニアになりたいんだ」と言っているのを聞いたことがありますが、まさにそのとおりになっているのが映像で見るとよく分かると思います。