もうこんな天才は現れない

2009年6月25日は私にとって忘れられない日です。マイケル・ジャクソンが死亡したというその日のニュースは衝撃的でした。当時私はマイケルの一ファンではありましたが、今ほどではありませんでした。80年代ヒットした「BAD」が好きだったくらいで、マイケルがどれほど偉大な人物かということを知りませんでした。3月のロンドンでの記者会見でマイケルがロンドンでコンサートを行うと発表された時、久々のコンサートだし、日本だったら是非行くのにな・・と思っていた矢先のことで、かなりショックでした。小中学校から慣れ親しんだ、誰でも知っているマイケルが死んでしまった事に、そんなに大ファンでもない私が動揺してしまい、心にぽっかり穴が開いたみたいになってしまいました。その穴を埋めるかのように、マイケルの死がきっかけとなって、時間さえあればネットや雑誌、本等で色々と調べるようになりました。調べていくうちに、マイケル・ジャクソンとは、類まれな才能の持ち主だったことがわかってきました。

マイケルはわずか10歳の頃のジャクソン5時代から享年50歳までずっと第一線で活躍してきました。裁判沙汰等で多少人気が落ちた時期もあったでしょうが、それでもデビューして40年が過ぎても、ロンドンのコンサートのチケットが発売後5時間で完売するようなアーティストが他にいるでしょうか。飽きやすい観衆を40年近くも魅了し続けるのは、普通なら至難の業でしょう。マイケルが全盛期だった80年代は多種多様なアイドル、アーティストが世に出ていました。今その人達の曲を聴いてみると、ああ、80年代ってこんな感じだった、と、時代を感じさせる曲ばかりでなんだか古臭い感じが否めません。それにその時代活躍していた人達のほとんどはもう「過去の人」の扱いになってしまっています。でもマイケルの曲は、今聴いても全く古臭くなく、むしろ新鮮に聴こえるから不思議です。

天才マイケルを超えるには、幼少の頃からスターとなり、長きにわたってファンを魅了し続けなければなりません。今のところそんな人物は見当たりません。今後もそんな人は現れないでしょう。